生産技術(建築・産業カンパニー)

高出力、高精度、低環境負荷。世界に広がる新製品の量産化に挑む。

及川 恒平 建築・産業カンパニー SCM統括部 チラー藤沢工場 PLM推進課
2023年入社 生産技術

ナノレベルの超微細加工に欠かせない「産業チラー装置」

私は現在、藤沢工場内に新設される生産ラインの立ち上げに参加中です。対象製品は新しい産業チラー装置。チラー装置は日本語で「冷却水循環装置」といい、工場で稼働するさまざまな設備機械を冷やしたり温めたりする装置のことを指します。±0.1℃という精密な温度制御が可能なことから、わずかな誤差も許されない半導体製造装置の冷却に用いられることが多い装置です。

当社の産業チラー装置はコンパクトながら高出力・高精度を誇り、冷媒の環境負荷も低く、さらに省エネ性能も高いことから需要が伸びています。特に冷媒に二酸化炭素を使うモデルは一般的なフロンガスに比べてGWP(地球温暖化係数)が1000分の1程度に抑えられることもあって、脱炭素に取り組む国内外の半導体製造メーカから歓迎されています。今回私がライン構築を担当する新製品もそうした市場の声に応えるもので、2024年末までの量産開始を目指しています。

精密かつコンパクト。新製品の最適な製造方法を追い求める

産業チラー装置は縦横1m、厚み30cm程度の大きさで、コンパクトなケースの中には部品が所狭しと並んでいます。建築・産業カンパニーではターボ冷凍機など大型の装置を扱うことが多く、今回のように小型かつ高密度な製品づくりの知見はそれほど蓄積がありません。そのため生産技術担当の私たちは、この複雑な装置の最も効率的なつくり方を追い求めてトライアンドエラーを日々繰り返しています。

例えば冷媒配管の接続にはロウ付けの職人技が欠かせないのですが、私自身ここに転職するまでずっと自動車製造の現場にいたので、温めたり冷やしたりするこうした装置特有の工程に苦労しています。

分からないことはもちろん自分で調べて解決を試みますが、周囲のみなさんに助けられることも多いですね。私が所属するチラー藤沢工場ではキャリア入社組が非常に多く、初歩的なことも面倒がらずに教えてくれますので、私のように他業界からの転職者もなじみやすい環境だと思います。

自分がつくった製品に誇りが持てる

小さい頃からプラモデルづくりが好きで生産技術の道に進んだ私です。3社目となる荏原製作所でも、ひとつひとつ手順を踏み、図面通りのものを完成させていく楽しさは変わりません。特に建築・産業カンパニーは製品ラインナップも多い上、新製品の開発に積極的ですので、新しいものづくりにチャレンジする機会も多くあります。既存品の改修ばかりでなく、新製品をゼロからつくりあげていきたいという方におすすめできる職場です。

トップシェア製品を数多く有する当社。自分の製品が世の中の役に立っている実感を味わえることもやりがいのひとつです。競技場や空港などたくさんの人々が利用する施設で使われていますし、災害時に「荏原製作所のポンプが復旧に役立った」というニュースを目にする機会も多くあります。これらはやはり、日々の暮らしや産業に欠かせない製品を扱う当社ならではといえる部分ではないでしょうか。

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