DXエンジニア特設ページ
グローバル化の実現には
自走できるIT部門の力が必要です
小和瀬 浩之/Kowase Hiroyuki
執行役 CIO(情報通信担当)
- PROFILE
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1986年4月、花王入社。同社情報システム部門グローバルビジネスシンクロナイゼーション部長を経て、2012年10月同部門統括。2014年1月にLIXIL入社、執行役員IT推進本部長。同年4月からCIOを兼務。2015年12月から上席執行役員CIO兼情報システム本部長。2018年12月、荏原製作所入社。2019年4月より情報通信統括部長。2020年3月より執行役、2023年1月より現職。「日経クロステックが選ぶ CIO/CDO オブ・ザ・イヤー2023」の大賞を受賞。
DXの力でインターナショナル経営からグローバル経営へ
荏原製作所に入社する前も花王、LIXILといった様々なメーカーでITの力を通じて企業の変革に取り組んできました。その中で感じたのは、グローバル企業になるためには、インターナショナル経営からグローバル経営への変革が必要だということです。国内外のグループ企業がおのおので経営をする従来の日本型ではなく、世界中の組織が1つの企業体のように活動する経営体制への転換。この変革に欠かせないのが、ITによる業務システムの統合です。
荏原製作所では、グローバル拠点・グループ会社の統合ERPとしてSAP S4 HANA(※)を導入し、グローバルで経営のPDCAサイクルを高速で回せる経営体制の導入を推進しています。あくまで、ITは手法ですが、経営のトランスフォーメーションを実現させ、企業の優位性を高める武器になると考えています。
会計、人事、生産、物流、販売といった基幹情報を統合的に管理することが可能となる。
強固な経営のビジョンがあるからこそ
DXによる経営改革が推進できます
私が荏原製作所への入社を決意した理由は、経営陣から「本気でITによる経営改革を実施したい」という“熱意”を感じたからです。多くの企業がDXへの挑戦をしていますが、経営方針の変更や短期的な成果の追求など、さまざまな要因で方向性がぶれることを見てきました。一方、荏原製作所の経営陣は一貫したビジョンや姿勢を持っており、ここでなら実現できると確信しました。
浅見正男社長は「自分の代で成果がでなくてもいい。未来のために挑戦したい」という覚悟を持ち、経営を実行されています。長期ビジョン「E-Vision 2030」を掲げ、「技術で、熱く、世界を支える」を旗印に掲げ、さまざまな挑戦が実行され、一貫した経営方針はDX戦略も牽引してくれているのです。私が入社した2018年から2024年の株価を比較して約6倍になるなど、業績も好調です。
DX戦略は荏原製作所にとって経営改革
経営、業務部門、IT部門の三位一体の体制で推進する
荏原製作所全社でDX推進による経営改革が進行している理由は、経営層にとっての最重要テーマがDXとなっているからです。現在、ERPの導入プロジェクトが進行していますが、各部門の責任者から成るステアリング・コミッティーに浅見正男社長をはじめとした経営層も毎月出席。これにより、DX戦略、経営戦略、事業戦略の一体化を体現できています。これだけ経営と業務部門、IT部門の三位一体で取り組んでいる企業は稀ではないでしょうか。
そして、2022年7月にはデータドリブン経営を目指し、データストラテジーチームを新設しました。企業価値の向上とグローバルにおける経営管理の最適化を目指しています。
攻めのDX、守りのDX
グローバル一体経営を目指し、多種多様な挑戦が実施中
現在、当社ではDX戦略を策定し、攻めのDX、守りのDXという考えのもと、無数のプロジェクトが進行しています。攻めのDXでは、xRやメタバース分野でのデジタルツイン、デジタルトリプレット、数理モデルを活用した工程管理、IoTセンサーとクラウドを用いた状態監視・メンテナンスサービス、3Dパラメトリックスによる自動設計など、ものづくりとことづくりの両面に取り組んでいます。
守りのDXはグローバル一体経営のための情報基盤を構築する全社ERPの導入を進めています。導入の完了によりデータドリブン経営への転換を加速させ、経営課題に迅速に対応できる体制がより強化されます。
テクノロジーはあくまでも手段
経営の課題に自分で向き合い、事業の成長に貢献
荏原製作所のIT部門のゴールは、システムやアプリ、ソリューションをつくることではありません。つくることは、あくまでも助走段階。重要なことは導入した後に、業務部門と一緒に使いこなし経営効果・業務効果を生み出すこと。戦略を描くだけ、システムをつくるだけ、運用するだけではなく、自分で経営課題をとらえ、自分で打ち手を生み出し、自分で効果に対する責任をとる姿勢を奨励しています。IT部門のメンバーの「いい仕組みをつくりたい」「貢献できるシステムをつくりたい」という意欲が高まってくるのです。
最近は内製化の動きも加速しています。もちろん外部パートナーの力も借りながら、内製化すべき部分を内製化することで私たちのIT部門に蓄積される知見や技術力は向上します。このような環境で活躍することが、エンジニアを真の意味でITエキスパートへ成長させるのです。
大切なことは、やりたいことを持つこと
手にできるのは、グローバルで生き抜く力
荏原製作所では、エンジニアの意欲を尊重して積極的に挑戦させたいと考えています。極端な話ですが、そうして当社で活躍することで力を磨いた上で、独立や別の企業など新たな道に進む方が出てきてもいいと思っています。グローバルで活躍できる人材になるためには、これくらいの姿勢が求められるのです。荏原製作所には成長の機会が豊富にあります。荏原製作所の未来に向けて全面的に改革を実行しているフェーズです。グローバルで、スケールが大きく、難度が高いプロジェクトを通して、経験や知識を蓄積していくことができます。
だからこそ、誰かの指示にしたがうのではなく、自分が何をしたいのか、何を手にしたいのかを、自ら考え実現するまでのプロセスを設計し、行動していくことが重要です。
攻めのDX、守りのDXが
変革の鍵を握る
目指しているのは、社会・環境価値と経済価値の両立した
グローバルエクセレントカンパニー
当社は、2030年度に向けた長期ビジョン「E-Vision2030」を策定。社会・環境価値と経済価値の両立を向上させることで企業価値を高め、グローバルエクセレントカンパニーを目指します。その目標達成のために、中期経営計画「E-Plan2025」では顧客起点での価値創造をテーマに設定し、ビジネスを創出していきます。
インターナショナル経営から、グローバル一体経営へ変革
世界規模で事業を展開し、持続的に成長するために欠かせないのがDXの力。特にインターナショナル経営からグローバル経営へと変革を起こすために、DXを活用した企業風土の改革、業務の効率化、組織やビジネスモデルの変革を進めています。経営から業務部門、IT部門までが一体となり、企業変革を推進します。
経営戦略や事業戦略に基づきDXを推進
荏原製作所は「DX=経営戦略、事業戦略」と考えています。IT部門の価値は、経営や事業の課題を解決することから、画像処理技術やディープランニングの技術といった要素技術の標準化の創出まで多岐にわたります。荏原製作所はDXという言葉が言われる前から、事業部や研究開発部門がITを使って製品やサービスモデル、仕事のやり方を変革してきました。
ものづくり・ことづくり変革する攻めのDX
画像解析によるごみ識別AI、テキストマイニングによる技術資産の活用や技術文書の解読、風水力機械の多目的最適化・3Dパラメトリック自動設計と3Dデジタル製造、ものづくりプロセスの刷新など、業務プロセスの革新に挑戦。また、IoTとビッグデータ解析による製品診断システムの提供や、xR(仮想・拡張現実)を応用した営業から研究開発、サービス&サポート (S&S)強化への取り組みなど、幅広い領域でのことづくりによる顧客価値創出を加速させます。
グローバル一体運営のための情報基盤を構築する守りのDX
真のグローバル経営を実現するのためには、グループ全体を包括する業務標準化が欠かせません。このために業務プロセス、KPI、コードといった業務標準化をグローバルで行い、ERPをベースにした情報基盤を構築しています。グローバル経営情報の見える化を行うことで、荏原グループ全体でのKPI管理や、経営レベルでのPDCAサイクルを実現し、経営が抱える課題に迅速に対応できる情報基盤を提供します。
エンジニアインタビュー
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