制御設計 K.Y.

社員インタビュー

先進技術満載の装置開発。
進化の鍵を握るのは、
制御系エンジニアだ。

K.Y.

精密・電子カンパニー 装置制御システム部 システム開発課

2013年新卒入社

情報理工系の大学でシーケンス制御や倒立振子の制御などを学ぶ。成長が見込まれる半導体関連事業を世界展開していたことから荏原製作所を志望。ハイレベルな制御技術を学べることにも魅力を感じた。

ナノレベルの半導体製品を生み出すために欠かせない荏原製作所のCMP装置。誰も経験したことがないレベルの超微細な制御を実現するため、日夜チャレンジを繰り返しているエンジニアに話を聞きました。

――K.Y.さんのお仕事について教えてください。

K.Y.:CMP装置に搭載される制御システムとソフトウェアを開発しています。業務は大まかに量産機向けの開発と次世代型装置向けの開発の2つに分かれていて、私は現在、後者を主に担当しています。

――量産機向けと次世代型装置向け開発の違いは?

K.Y.:量産機向けは、ベースとなるモデルがあって、そこに顧客の要望に応じた機能追加やカスタムを行う開発業務を指します。一方の次世代型装置向けのシステム開発は、そもそものベースとなる装置を新しくつくることです。

――新機種の開発はどのように進められるのですか?

K.Y.:組織横断型のプロジェクトチームをつくり、まず大まかな仕様を考えるところから始まります。その後開発に移るのですが、以前はメカ設計からソフトという順序で進められました。しかし近年は構造や機能がどんどん複雑になってきていることもあり、開発のはじめから我々が参加することが当たり前になってきています。

――半導体の製造工程は、顧客であるメーカーが開示することは難しいですよね。顧客ニーズや課題はどのように収集するのですか?

K.Y.:我々の製品はお客さまの製造工程に組み込まれるため、当社のプロセスエンジニアが先方のプロセス担当者とともに開発を進めるケースが多々あります。彼らから寄せられる「現場ではこういうものが求められている」という情報に加え、自社マーケティング部門の調査データなどを活用しながら、次世代型装置の姿を描いていきます。

――現在、次世代製品で目指している方向性とは?

K.Y.:細かい開発テーマはいろいろありますが、装置自身がさまざまなセンシングデータを収集し、自己診断や自動制御を行えるようになる装置の自律化を一つの目標に設定しています。こうした制御を実現できれば、故障を未然に防ぐ予知保全などの機能実装が可能になりますから。

――確かに、設備が故障したら生産量に大きな影響を与えますよね。

K.Y.:ええ。どれだけリードタイム短縮、スループット向上に心血を注いでも、装置が止まってしまえば意味がありません。経過時間と各種センシングデータの変化を監視しつつ自己診断ができれば、止まらない装置の実現に一歩近づけるのではないかと考えています。

――ただ、ここまで多機能になってくると社内の知見だけでは実現不可能なのでは・・・?

K.Y.:もちろんです。普段から社外のさまざまなメーカーやベンダー、専門家の方々との情報交換を欠かさず、必要に応じて協力をお願いしています。半導体だけでなく、例えば食品や印刷など様々な分野の幅広い先端技術を、どうにかうちの装置に組み込めないかとキャッチアップしています。

――なるほど。とはいえ、複雑になればなるほど装置が大きくなってしまう気もするのですが。

K.Y.:はい。ですので、機能の取捨選択とコンパクト化を図るとともに、省エネルギー化についても同時に検討を進める必要があります。高機能になるほど使用電力は増えますからね。

――核であるシリコンウエハーの平坦化技術についてはいかがですか?

K.Y.:ナノレベルの微細さが競われている世界ですから、より高度な技術が求められていることは言うまでもありません。あまり詳細は話せませんが、AIの活用などを検討しつつこれまでにないレベルの平坦化に挑んでいます。

――荏原製作所のCMP装置は世界シェア2位です。選ばれる理由はどこにあるとお考えですか?

K.Y.:環境性能が評価されていますが、やはり一番は平坦化技術の高さでしょうか。特にウエハー上に形成する膜の厚みを決めるエンドポイントを検出する技術は優れていると思います。あとはもちろん生産性にも自信はあります。

――生産効率の面ではどのあたりにアドバンテージがありますか?

K.Y.:当社のCMP装置はもともと、1テーブル1ヘッド・デュアルモジュール方式を採用することで高効率な生産を実現しています。そこに近年は独自の搬送機構や加工のばらつきを低減する研磨構造、高度なクロスコンタミ予防策などを採用することで、歩留まり向上も果たしています。

――多分野の技術者が関わる開発プロジェクトにおいて、制御技術者の果たすべき役割とは?

K.Y.:いくら画期的な機構のアイデアがあっても、動かせなければ絵に描いた餅です。多様な知見や技術を掛け合わせながら試行錯誤を重ね、100%狙った性能を出せる最適な制御を見つけ出すことですね。

――職場にはキャリア入社の方もいますか?

K.Y.:たくさんいますよ。経験業界によって開発スタンスが異なるので、当社にない知見を持ち込んでもらうことで新しい価値が生まれることもあります。例えば組み込みシステム開発を経験した技術者は、とにかくデータを軽くするよう、ギリギリまで削ぎ落としたソフトウェア設計に腐心してきています。そのノウハウに「なるほど、こうすればシンプルになるのか」と私も皆も驚きました。

――最後にこの仕事のやりがい、面白みとは。

K.Y.:最先端技術に携わりながら、業界をリードする製品を生み出していけるところですね。自由に発言できる風通しの良さと、優れたアイデアはどんどんトライしてみる風土がありますので、チャレンジングな開発がやりたい方に参加してもらえると嬉しいです。