アプリケーションエンジニア

顧客との対話を重ねながら製品仕様を細部までつくり込み、ライバルに競り勝つ提案を。

田中 梨紗(荏原エリオット)
2010年入社 アプリケーションエンジニア(技術営業)

毎回違う製品を提案する「一品一様」の技術営業

私たちアプリケーションエンジニアの役割は、自社の営業活動を技術的な側面からサポートすること。当社が扱うコンプレッサやタービンは「一品一様」、つまり納入先ごとに異なる機能・性能が求められる製品です。顧客ごとに最適化された自社製品をつくる道筋を立てるため、まず私たちが見積もりの段階で製品スペックをまとめます。この「技術仕様書」を提案の中に盛り込み、顧客と対話を重ねながら、営業担当とともに受注獲得を目指します。

この場合の技術仕様書というのは、顧客の要求事項一覧をもとに、コンプレッサ本体とその中に駆動機として組み込まれるタービン、さらには外部ベンダーさんから購入する計測器など補機の機能選定および性能計算を行い、それらを仕様書としてまとめたものを指します。過去にない機能や性能を求められることも多く、設計技術者たちとともにいろいろな可能性を探っていく過程はワクワクするような面白さを感じます。

完成した仕様書は顧客に提出し、私たちも客先に出向きながら何度も対話を重ね、仕様書の細部を詰めていきます。晴れて受注獲得となった暁には、この技術仕様書が契約書に添えられますので、当社にはその通りに製造して納品することが義務付けられます。技術的にできないものを契約してしまうと後で大問題になってしまうので、仕様の検討時に想定できる限りのリスクを徹底的に洗い出さなくてはいけません。折衝力とともに、あらゆるリスクを事前に想定し回避するための経験と知識が求められる仕事ですね。

世界最大規模の石油精製プラント。入社3年の彼女はどう挑んだか

私が入社して3年ほど経った頃、あるプロジェクトを担当しました。顧客は、世界最大級の石油精製プラント建設を目指すインドの企業です。世界の並み居るライバル企業たちと入札を競う、まさに世界規模の一大プロジェクトでした。

当社のコンプレッサは、年間を通じて休みなく稼働するプラントの心臓部で使われます。コンプレッサが止まればプラントも止まり、顧客の収益だけでなく関連する企業にも大きな影響が出てしまいますので、壊れずに安定稼動できる信頼性の確保は常に最優先項目です。 それは今回の案件も例外ではなく、特にインドの顧客は過去の実績を重んじる傾向にありました。そこで私たちは近いモデルの納入事例をいくつか探して資料にまとめ、「10年以上トラブルなく稼動している」というエビデンスを示し、安心と信頼を勝ち得る工夫を行いました。

それともうひとつ、当然のことながら性能の良さも重要な指標です。例えば、効率の良さ。コンプレッサは自ら動くわけではなく、他の動力源に動かしてもらう必要があります。駆動機が蒸気タービンのコンプレッサであれば、できるだけ少ない蒸気で運転できるものを「効率が良いコンプレッサ」と呼ぶわけです。

当社のコンプレッサは信頼性とともに、この効率をはじめとした性能面でも高い評価を受け、プロジェクトの開始からおよそ3年後に見事受注。苦労はしましたが、その分大きな自信にもつながった思い出深い案件です。

気持ちのこもった仕事ができる。だから成長できる

近年はリモートでの会議が増えていますが、「呼ばれたら世界のどこにでも飛んでいく」のが私たちアプリケーションエンジニアの基本です。先ほどの案件ではインドのほか、欧州にあるプラント建設会社にも2回行きました。

インドの顧客とのディスカッションの場では質問が相次ぎました。いつもは責任者である上司が対応するのですが、私、言いたいことがあると黙っていられない性分で(笑)。「ここは私わかる」という部分で、ついつい自分のパートではないのに喋り出してしまいました。でも、上司はそれを遮ることなく黙って見守ってくれたのです。

一品一様のものづくりは常にチャレンジが求められます。そのためか、この会社には「とりあえずやってみろ」という風土があります。慣れない英語で熱弁する私を上司が止めなかったのも、私の意欲を尊重してくれたからだと思っています。そして今、課長となった私はメンバーに「喋りたくなったら喋っていいよ、いつも見てるからね」と伝えています。

受注後に行う社内向けの説明会も、「経験しておくといいよ」と任されました。自分が思っていたよりもうまく説明ができたみたいで、とても評判がよかったと後から聞きました。プロジェクトの最中はがむしゃらで自分の仕事を振り返る余裕はありませんでしたが、知らず知らずのうちに力がついたのかなと思います。

一品一品、何をどうやってつくるかという最上流から関わるため、気持ちが込めやすい。だから一生懸命になれるし、成長もできる。そのあたりはやはり数を競う量産品とは違うところではないかなと思います。

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